2012年2月8日水曜日

Roland EDIROL MA-20Dの改造 後編

今回も前回に続いてRolandのパワードスピーカー、MA-20Dの改造の後編をお届けします。




まずは前回の記事はこちらからどうぞ。

・Roland EDIROL MA-20Dの改造 前編







それでは本日もこちらを。

David Morales - Needin' U II




HOUSE好きなら知らぬものは居ない、David Morales御大の名曲Needin'Uのボーカルバージョン。
ティンバーランドのブーツを履いた、モラレス御大も出演のPVも素敵なこの曲、
以前もオリジナルの方を紹介した事があったと思うんですが
ちゃぶろ時代(2chブログ時代)のCrossOverでだったと思うので、今回はカバーの方で。
いやー、いつ聞いてもカッコイイです。ボーカルはJULIET ROBERTSですね。














と言う訳で。

次はオペアンプの交換に行ってみます。

このSIP(SIL)型のオペアンプと言うのは厄介で、ピュアオーディオ系のアンプだったりすると
大概はDIPタイプのオペアンプが使われていたり(表面実装型なんかも最近では多いですが)しますが

DIPタイプのものを、SIL型の物とそっくりそのまま交換と言う訳にはいかないので
別途、変換基板を用意してDIPタイプのオペアンプを奢るか、SILタイプの物で
同等品と交換すると言う方法が考えられます。
Webを散見すると、同じSILタイプのものとそのまま交換されている方が多いようですね。
このオペアンプの交換をするためには、基板のICのハンダを除去してから、そこをICソケット化し、
交換可能な状態にしてやる必要がありますが、幸いにもハンダは吸取線で簡単に
取れるので作業自体はきつくはなかったです。



そして肝心のオペアンプですね。
SIL→DIPの変換基板を使うなら、Browndogの奴が良いのですが、
このローランドのパワードスピーカーには、オペアンプが合計6つ使われているので
変換基板だけで6つも買うと、結構なお値段になってしまいます。(5千円くらいでしょうか?)



なので、僕の場合、どこかのお偉いさんが言った、パンがなければお菓子を食べればイイじゃない!
変換基板が無ければヤマザキ春のパン祭りCrossOver春の改造祭りなんだから
作ればイイじゃない!と言う事でw


めんどいなーと思いながら('A`)変換基板をまず自作して見ました。








まず、基板を8×5マスにマジックでマーキングしてから、切り取ります。
これは昔、ポータブルアンプを作った際に余っていた基板の部分を再利用です。
エコですよ奥さん!捨てなくて良かった('A`)












手持ちのICピンを(秋月で売っている奴で代用可能です)ラジオペンチで
それぞれ丁寧に足を曲げて行き、8本分綺麗に揃えます。
ICソケットは秋月で売っている物を使いました。10個で200円だったか。
















裏面をそれぞれSIL型のピンアサイン→DIPのピンアサインへ配線をして完成。こんな感じで。

右斜めに写っているICがMA-20Dのデフォルトで使われているNJM4558LDです。
こいつと交換してやるって訳ですね。





肝心の使うオペアンプですが、長年貯めてきたストックが結構あるので
色々と試してから決めるって事で。



その前に使えるオペアンプを決めるためにも
まずMA-20Dのオペアンプの電圧のチェックしてみましょう。




両電源で24Vの電圧がかかっています。
と言うことは一般的なオーディオ用オペアンプは十分使用可能ですね。




2chの改造スレではOPA2134,OPA2604などが良いと書かれていますが
時代はあれから8年が経ちました。
今は新しく登場した、高性能なオペアンプもたくさんあります。



と言う訳で、値段はそこそこで、高性能で評判の良い
LM4562(LME49720)、OPA827、OPA2211、OPA627、ADA4627-1などを
試す事に。



オーディオマニアの世界では、有名なバーブラウンのOPA627BPを12個とか使うのは、
流石に狂気の沙汰としか思えないのでw(それだけで価格が5万近くしますw)


現実的な線で、OPA827とADA4627-1を入れて見ることに。

まずDAC部をADA4627-1へ。





SIL→DIP変換基板から、更にSOP→DIP変換基板と通すので
あんまり宜しくはなさそうですが、
ここを交換するとデジタル入力を使った際の音が一皮むけます。いや本当にw








次はボリューム周り。ここが音質的に一番重要な部分。
(ボリュームは定番のアルプスのRK097が使われていますね)



写真右下の入出力用のカップリングに使われている電界コンデンサー、
Jamiconの10uFだったものを
ニチコンのMUSE KZ 22uFに交換したもの。

そしてここで使われている音声増幅のためのオペアンプは、
オペアンプの交換の中で最も重要な部分でもあります。
ここをOPA827×4。右のオペアンプが初段、真ん中のオペアンプは後段になっています。
回路の構成は、初段の出力の後にパラ(並列)で入っているようで、
後段のオペアンプを外しても、音は小さいですけれど一応ちゃんと出ます。




写真一番左のオペアンプはヘッドフォン用のオペアンプ。
ヘッドフォンアンプ部にあたります。

ここは普段と言うか、過去5年間で、使った事は数えるほどしか無かったので
手持ちのOPA2604を入れてみました。(それでも十分贅沢ですがw)
楽しく聞けるようにと言う意味も込めて。

とは言っても使わないけどなっw




RCAとフォンジャックからのライン入力周りは2つのオペアンプが使われています。
こちらはLME49720を入れて見ました。


モニター向けのオペアンプである事で、本当であればこのRolandのスピーカーには
全てこれで統一するつもりではあったんですが、手持ちで2個しか無かったので
ここだけ入れています。いずれはこれで全て統一しようかなとは
思っていますが、裏蓋を開けるのがめんどいので
どうしようかなとw


ここのアドバイスとしては、フォン端子と、RCA端子のそれぞれにオペアンプがありますが、
いずれか使わない方は、交換しなくても良いかもですね。










これが右側のスピーカーの中身の基板3つです。
全ての電解コンデンサーとオペアンプの交換を終わった直後の巻。
(左側のスピーカーの内部の基板にあった、電解コンデンサーも同様に全て交換してありますが、
写真を撮るのを忘れましたorz)

平滑コンデンサーのKZの俵積みしてあるやつは、写真を撮った後に基板に絶縁テープで固定してあります。
このままじゃ危ないですからね。






おっと忘れてたこちらも。






デジタル周りのDAC部。
使われているDACチップはバーブラウンのPCM1728E、
レシーバーはSANYOのLC89055Wです。

データシートを見ようとして調べたものの、
両方ともかなり前にディスコン(生産中止)になっていたので
こちらを互換品を探して、最新のモノを変えればまた違うのでしょうけれど

そこまでやると、もう完全に外付けのDACを使った方が良くなってしまうのでw
今回の改造はここまでと言う事で。













さてさて、皆さんが気になる改造後の音を聞いてみると。。


ホワイトノイズは見事に気にならないレベルまで下がりました。
予想通り、やはりここが悪さをしていたようです。

ただし、ゲイン(音声増幅率)がそれなりにあるので
多少のホワイトノイズは乗ってしまいますが、音楽をかけている間は
気にはならないので、取り敢えずこれで良しとしましょう。


特にボリューム周りのオペアンプをOPA827にしたのが効いていますね。
解像度も上がり、音の分離が以前とは比較にならないほど良くなりました。

比較すると、以前は音が団子状態で分離が悪く、音が荒く、
ざらついた感じがあったのですが、それが無くなり、綺麗な繊細な音に
化けたと言う感じです。

MUSE KZのカップリングコンデンサーの効果もあると思いますが、
ドンシャリ傾向は減って、低音の出方と言い、音がとにかく綺麗です。

低域の量感も増して、低音ががしっかりと出るようになったので、
美音系になってしまったのは好みが分かれる所ですが、オペアンプを変えると性格が変わるので
しばらくしたらDAC部のオペアンプ×1個、
音量増幅部のオペアンプ×2個をLME49720にしてみようと思います。
モニター向けにしないとねw



オペアンプを交換している時にも思った事ですが、
NJM4558はヘッドフォンアンプを自作した時にも感じたように、音が荒いです。ですので
オペアンプ交換の改造には必須と言えます。

オーディオ用のオペアンプはお値段が張るのがネックではありますが、
秋月でそこそこ安く買えますから、改造される方はそちらを見て頂ければ。





ちなみにネタでオールOPA627BPと言うのもやってみましたが、
音が太くなり、分離も試した中で一番良かったです。
値段もあるから、プラシーボ効果もあるんじゃないかなとは思いますがw
良い音かどうかは置いといてw




そして気になる改造費は?と言うと、
コンデンサー代で秋月電子で揃えた分でだいたい3500円くらいかな?

オペアンプは手持ちのものを使ったのでタダですが、
普通に買えば6つ分となると1万オーバーでしょうか?
仮にオールOPA627BPとかにするなら(する人は居ないと思いますけどw)12個で5万くらいですかね。


そこにSIL→DIPに変換する基板、それとSOP→DIPにする変換基板代を合わせると
(日本で買うと1個600円くらい)MA-20Dの本体が
もう1つ買える分の額って訳ですね。たけえw
趣味の世界と言うのは、傍から見ると狂気じみているのかもしれませんw




あとの改造はそうですね。。思いつくだけで、


・抵抗の定数と質の良い抵抗に交換

・積層セラミックコンデンサーをフィルムコンデンサーへ交換

・スピーカーの内部配線を銀線、もしくは純度の高い銅線へ変える

・電源インレットをメガネタイプから一般的な3Pタイプのものに変えて電源ケーブルを交換する。

・ヒューズをジルコンサンド入りの物に交換、もしくは接点を磨き上げる。

・左チャンネルのスピーカーに繋げるRCAケーブルを交換する。

・スピーカーのユニットをフォステクスなどのモノに交換する。



ぱっと思いつくのはこれくらいかな?
電源ケーブルは以前、オルトフォンの銀メッキ銅線で作ったメガネケーブルがあるので
こいつを使うとしても、
スピーカーの内部配線などもいじってみたいですね。やろうと思えばすぐにでも
出来る事は出来るんですが、コネクターを買って来ないとめんどいかもですね('A`)














と言う訳で。
最後におまけでもう一つだけこちらを。






最後の項目で書いた、MA-20Dは左右のスピーカーに接続するのには
RCAタイプのケーブルを使っていますから、こいつを自作してやって繋いでやります。

付属でついて来たケーブルは本当に細くて心許ないので、
こいつを少しだけ?立派な奴におごってやるために、材料を揃えて自作してみました。

お約束のモガミのマイクケーブル2534を(2m)とRCAコネクタです。
オヤイデ電気で購入。トータルで700円。安いw

左チャンネルしかこのケーブルを使わないので
変に色付けがされそうではありますがw

こいつで繋いでみると明らかに変化が。
更に低域がしっかりと出るようになった(ように感じるw)のと
定位がさらにはっきりする(ように感じたw)。。




















と、思いましたとさ(笑)



こういったものはキモチが大事ですからね!
特に自分が改造したぞ!と言うキモチですw



改造するにあたり、2週間ほど時間をかけてゆっくりとやったため
オリジナルの音が分からなくなっている可能性も無きにしもあらず、ですが
その辺はご愛嬌と言う事でw

これでまた5年は使えるパワードスピーカーになった。。かな?




とりあえず、これでテレビを見るには十分な音質になりました。
地デジ化前に購入した、このMA-20Dも
これで地デジ対応の音質になった訳ですねw

あとは暫く電源を入れて、音が落ち着くのを楽しみつつ、
NHKのニュースキャスターの声がよく聞こえるようにイコライジングして
テレビを見ようと思いますw



















…。

普段からテレビはあんまり見ないけどなっ('A`)






と言う感じで、前後編に渡ってお届けした改造ネタはこれにて一旦終了です。
続編は気分次第という事でw

ここまで見て下さってありがとうございます!

ぬるぽ。

7 コメント:

taka さんのコメント...

ガッ(゚∀゚)!

AIR. さんのコメント...

>>takaさん
(゜∀。)ワヒャヒャヒャヒャヒャヒャ

匿名 さんのコメント...

この記事、大変参考になりました。

で、俺もパーツ頼もうと思って中見たら
交流ラインと直流ライン一緒に束ねられてません?
インシュロック切って、
トランスへのラインを捩ってアルミテープで固めたら
ホワイトノイズ解消してしまった気が…

それにしてもJamiconいっぱいですね。

AIR. さんのコメント...

>>匿名さん
コメントありがとうございます!
お役に立てて嬉しいです(笑)

>交流ラインと直流ライン
そうですね。言われてみて気づきましたw
ここをシールドすればさらに電源ノイズは消えそうです。
自分の場合、電源は今は壁コンから
ダイレクトに取っているのでノイズの心配は
電源タップに比べるとあまり無いものの
対策できるならした方が良いでしょうね。
次回分解する際にやってみようと思います!
オペアンプもLME49720に全て変えちゃおうと^^;

電解コンデンサーは安いせいかJamiconでしたw
せめて日本製にして欲しかったです。。

匿名 さんのコメント...

>>AIR. さん

オシロで見たわけじゃないんで、どこが本当の原因か解りませんが
インシュロックで折り返して、交流直流関係なしに束ねてあったのが…
あれじゃまるでアンテナですよねw

内部のコネクタ、見た感じは日本圧着端子製造株式会社の
VHシリーズとXHシリーズです。コンタクトピンも含めて共立とかで買えます。

D/A基板のパスコン見直せばホワイトノイズ消せそうだなー
コネクタ当たって、直流ラインはツイストペアのシールドにしたり
D/A基板のシールドケース簡単に作れそうだなー
基板-スピーカーユニット間はBELDEN8470にしてみようかなー
OPAMPの電源0-24Vだから、4番8番にも積セラ.1uFくらいを付ければ
さらに一皮剥けるかも
なんて妄想しながらポチポチっと発注してしまいました。


HPAで試した範囲ですが、LME49720良いですね。
バーンインしてない状態で、Brian McKnight聞いてたりすると
コーラスが前に出すぎてたりする感があります。

AIR. さんのコメント...

>>匿名さん
ありがとうございます!
アンテナ。。仰るとおりで^^;最近はテレビを見ていないので
TVに繋げてリビングに置いてあるMA-20Dの出番が減っていますw
週末にちょっとばらして電源周りもいじってみますね。

コネクタの情報もありがとうございます!
これで色々弄ることが出来そうですね。
SP周りの配線はMogami辺りでやろうと思ってます。
パスコン辺りはどうでしょうか?フィルムコンがかなり余っているのでスペースが許せば突っ込んでみたい所ではありますが。。

>オペアンプ
スピーカーの用途にもよりますが、モニターSPとして使うなら色付けは少ない方が良いかもですね。
オーディオ用途ならTIのOPA827や艶やかなOPA2604もオススメです。音の分離や音色だけで見るならOPA827が個人的には好きです^^

HPAで試すとオペアンプの癖がよく分かるので良いですね。スピーカーでの用途になると僕はノウハウが全く無いのでw試行錯誤の連続です(笑)
電解コンデンサーもMUSE KZを使いましたが、今回が初めてだったとはいえ、HPAより
効果が非常にわかりづらかったですw

>Brian McKnight
良いご趣味ですね!Back At Oneって曲が僕は好きなんですがw R&B向けなら艶やかな感じの方が個人的には好きなのでMUSE FGとキンバーの銅線の組み合わせが最高ですよ(笑)

匿名 さんのコメント...

BrownDogの変換基板届いたので、換装後のをUpしてみます。
ユニバーサル基板で作ると、裏側がアレで見せられなかったんですが
http://uproda.2ch-library.com/508017IMD/lib508017.jpg (DLキー:1)
MUSE KZの他に回路追わずに、雰囲気でMUSE FX(古)とかBPとか、適当に付けちゃいました。
今考えると、風邪気味の時に作業するもんじゃないですねw

一応、ツマミを4時まで回してもホワイトノイズは出てきません。
バーンインが終わったせいか特定の音域が前に出すぎる事もなくなりましたし。
ただBASSツマミ0時だと、低域がちょっと弱いかな…
置き場所とインシュレーター付ければ改善されるかなー…って感じです。
これで、一応音出るの解ったので、パスコン付けたり…遊んでみようかな。

銅板でDA基板のシールド作ったんですが、効果も解らず、上手く作れなかったので外してあります。

各入力側:OPA2134PA * 3
ボリューム基板:LME49720 * 2 + MUSE8920

シールドケーブルは、BELDEN 1503Aで、シールドは各ネジ部分に圧着端子付けて落としてます
D/A基板5Pのコネクタだけはシールド浮いてたり、3本目として使ってますが。

> OPA827
OPA627BPより良いらしいですね。金さえ出来たらtryしてみます。

OPAMP色々付け替えてると、解像度が上がったり、左右の分離が良くなりますよね。
作業しながらボカロとかライブ音源とか流してるんですけど、
あれ?こんな広がりのある曲だっけ?この人エフェクト掛け過ぎ、と思うことがあったり。
昔、SHUREのイヤモニ買って、「あれ?観客の会話聞き取れるww」という衝撃を受けて以来でしたよw

内部のスピーカーのケーブルは付け替えても、俺の糞耳では違いが解りませんでした。

これが、どの程度改善されてるのか聞き比べたいので
標準的なモニターって事で、MDR-CD900STが気になってたんですが
気が付いたらヤフオクでMA-20D中古を落札してたり。

Brian McKnightは、このブログ読んでて、話通じるだろうなーって事で書いてみましたw